宕陰活性化実行委員会主催で、令和7年度「宕陰竹灯籠」を開催しました。
会場は、樒原地域にある宕陰出張所前の棚田。
上から見ると、扇形に棚田が広がり、武士の鎧のように見えることから、
「鎧田(よろいだ)」とも呼ばれています。
「宕陰竹灯籠」はこの地域に古くから伝わる「虫送り」という伝統行事を再現したイベントです。
まだ農薬が無かった時代、棚田に火を灯し、害虫から農作物を守っていたと伝えられています。
時代が進むにつれ、その形は防除害虫の供養や豊作祈願の意味を持つ行事へと変化し、
村人が松明を手に、棚田を練り歩くようになりました。
現在では、地域住民が協力して、約300本の竹灯籠を棚田に設置。
「虫送り」の風景を現代の形で再現しています。
標高約450m、愛宕山の西側に位置する宕陰は、平地と比べ約3℃気温が低いといわれています。
観客の皆様が到着される頃には、澄んだ涼しい空気が流れていました。
午後6時になると、樒原特産物加工組合の販売コーナーがオープン。
「からかわ昆布」(サンショウの木の皮を入れた昆布の佃煮)やういろうが大人気でした。
地元 宕陰小中学校の児童生徒は自分たちで育てた野菜の販売ブースに挑戦し
元気な声で野菜を完売させていました。
辺りが暗くなり始めた18時45分。
四所神社から松明の火が運ばれてくると、「がんばれ~」と温かい声援が上がりました。
点火式の後、一斉に竹灯籠へ火が灯され、300本の竹灯籠の灯りが棚田を包む
幻想的な風景が広がりました。

「自然に囲まれた静かな里山で、竹灯籠の灯りの中、棚田を散策する」という
とてもシンプルな催しですが、その素朴な時間を楽しみに
毎年訪れてくださるリピーターの方も多く、何度来ても変わらない地域の良さを感じていただいているようです。
開催にあたりご協力いただいた皆様、ご来場くださった皆様ありがとうございました。
来年もまた、宕陰の夏ならではの風景を皆様と一緒に楽しめることを願っております。
















